2012年5月28日月曜日

僕が読んでる全集は、リンクの全集ではなく、もっと古い図書館にある全集である。 その新潮社の全集には、ほとんどの森鴎外の代表作が掲載されている。 その全集も終盤にさしかかり、幾つか気付いたことを書...



僕が読んでる全集は、リンクの全集ではなく、もっと古い図書館にある全集である。その新潮社の全集には、ほとんどの森鴎外の代表作が掲載されている。その全集も終盤にさしかかり、幾つか気付いたことを書き留めておく。1.森鴎外は、夏目漱石とよく並び称される。が、漱石が明治時代のという、まだ江戸時代の名残がある時代に生きたにもかかわらず、[近代人の苦悩、近代的自我]をテーマに持ってきたにもかかわらず、森鴎外の書く小説のほとんどが、歴史小説であった。これは、僕にとって意外であった。なぜなら、「舞姫」の印象が強かったからだ。2.森鴎外に登場する主人公らは、「山椒大夫」「高瀬舟」に見るがごとく、社会的に恵まれず、不遇の生活を送っている。または、「阿部一族」に代表されるように、理不尽な目に遭う。僕は、あえて社会的弱者という安易な言葉を使わない。軍医として官僚としてエリートであった森鴎外には、そういう不遇の人達の境遇に対する確かな目が存在した。このことは、明治、江戸という時代の豊穣さな一面を示していると僕は思う。丸山、大塚、内田といった岩波文化人にもそういう面があった。が、薄っぺらな現代は、どうだろう??成功者は、自らの成功体験とそのセレブさを見せびらかせるのみである。全く、こんな薄っぺらな時代に生きるということは、誠につまらない。アホらしい。バカバカしい。時々、死にたくなる。「おもしろきこともなき世をおもしろく」高杉晋作は、誠に実践するのに苦渋する言葉を残したものだ。   2012年5月28日 月曜日                     K-I,Kazuo Ito又はTogusa,トグサはて、bk1がリニューアルし、書評ポータルが無くなり、経済的に助かっていた優秀な書評には、3000円分のポイントをいただけなくなった今、どこに投稿すれば良いのやら?? #森鴎外 #書評 #小説 #読書






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